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ニッポンの数字ブログ

統計情報のポータルサイト「ニッポンの数字」の開発日記。

給料が上がらないのは正社員が増えないから

人手不足という言葉をニュースで聞くことが少なくない中で、給料はほとんど上がらない。人手不足というのなら、給料を高くして人を集めやすくする、もしくは既存の従業員が辞めないように給料を上げるべきだと思うが、こうした現象は限定的のようだ。

都市部のコンビニやファストフード店の入り口に貼っている求人広告をみると、アルバイトの時給は一時期よりも確実に上がっている。でも、ほとんどのサラリーマンの給料は上がっていない。なぜか。

就業者数の推移を作成して、その理由が分かったような気がする。従業員に占める正社員の比率が下がり続けているのだ。

1990年代まで80%前後だった正社員比率は、現在(2016年)62.5%。グラフを見ると分かるのだけど、正社員数が緩やかに減少して、非正規が急増しているためだ。

バブル崩壊以降、正社員が減った分を非正規で補填し、さらに従業員を増やすときは非正規の採用を優先している傾向がある。

企業としては、人件費はできるだけ安いほうがいいので、人手不足を非正規で解消できるのならそれに越したことはない。これまでの間、この安易な企業の考えが簡単に実現できるほど景気が悪かったということだ。

景気が悪いときだけではなく、景気回復期に非正規が増加するのも仕方がない現象だ。少し景気が良くなったからといって、それが長続きするとは限らない。半信半疑の状態では長期雇用を前提とする正社員は雇いづらく、まずは非正規で様子を見ようという心理が働くだろう。

就業者数の推移をみると、この様子見の状態が、2013年から現在まで続いている。失業率は2016年に3%台前半まで改善したが、改善に貢献しているのは非正規社員の増加だ。

雇用環境がさらに改善すると、この間採用された非正規社員の一部が正社員になるだろう。企業が新規求人を出す際も、正社員雇用の条件が増えるはずだ。ここまでいったら、多くのサラリーマンの人たちが給料が上がったと実感できるに違いない。